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私たちの健康づくりに欠かすことのできない栄養について、トピック&レシピをみなさまにお届けします。


執筆者:玉利紗綾香(たまりさやか)  

料理家・スポーツ栄養学講師 

食品会社に入社し、プライベートブランド商品開発に携わる。

料理家のアシスタントを経たのち、独立。スポーツ栄養学講師のほか、 栄養士の免許を活かし、レシピ提案、フードスタイリスト、JAやまがたアンバサダーなど多様な分野で活動中。

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コラムの最後にレシピがございます。最後までお楽しみください。

今回のテーマ:亜鉛

 【 亜鉛とは何か】

 わたしたちのカラダにおいて重要なミネラル、今回のテーマ「亜鉛」もその一つです。一般成人では体内に2gほど含まれ、血液や皮膚に多く存在し、臓器では骨、筋肉、腎臓、肝臓、脳に多く存在しています。また、男性では前立腺に最も高濃度に含まれています。

 亜鉛は約100種類もの酵素の補酵素として働き、新陳代謝に欠くことのできない栄養素です。また200種以上の酵素の構成成分として体内の重要な仕組みにかかわっています。このように多くの働きを持つ亜鉛ですが、体内では作り出すことができない栄養素なので、しっかりと食事で摂取する必要があるのです。

 

亜鉛の働きと1日の摂取量】 

細胞の生成、たんぱく質の合成にかかわる。

 細胞分裂を正常に行って新しく細胞を作ったり、たんぱく質合成に関わっています。そのため、体の成長に欠かせなません。また、皮膚の炎症や傷の回復時にも多く使われています。

ホルモンの合成、分泌にかかわる。

 各種ホルモンの分泌に関係しています。たとえば血糖値を下げてくれるホルモンであるインスリンもそのひとつで、その合成には亜鉛が不可欠です。

▼免疫機能の維持にかかわる。

 免疫機能や神経系の働きを保つために必須な栄養素です。

1日の摂取量

 厚生労働省が策定した「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、一日の亜鉛の摂取推奨量は成人男性で11mg、成人女性では8mgとなっています。

  

【亜鉛摂取のメリット】 

・細胞の新生を促進

・成長促進

・性機能の発達、維持

・味覚を正常に保つ

 

【亜鉛不足によるカラダへの影響 】

成長障害

 細胞の生成やたんぱく質の合成が滞り、小児では身長や体重などの発育が著しく遅れ、思春期では第二次性徴(性的な発達)が遅れてしまいます。成人男性では性機能不全が起こり、妊婦では胎児の成長不良を招く可能性があります。

味覚障害

 軽度の欠乏でも味覚異常が起こります。舌の表面にある味蕾の新陳代謝が悪くなることが原因です。

若い女性に多いという報告があるのは、極端なダイエット、植物性の食品に偏った食事、加工食品ばかりの食事が理由として考えられます。

爪や皮膚の異常

 代謝が低下するため皮膚炎などが起こりやすくなります。

免疫力の低下

 免疫力が低下すると、風邪をひきやすく感染症に対する抵抗力も落ちてしまいます。傷の治りが悪くなることも指摘されています。

 

※アルコールを分解するときに亜鉛も消費されますので、過度な飲酒は控えましょう。

  

【亜鉛とスポーツの関係】 

 亜鉛は汗の中に多く含まれるため、体を動かす人ほど亜鉛の摂取が必要となる栄養素です。また、新しい筋肉を作りだすときにも必要不可欠な栄養素です。

 トレーニングを行う際、体内に十分な量の亜鉛が貯蔵されていると、傷ついた筋組織の修復や新陳代謝が進むため、トレーニングの効果を感じやすくなります。逆に亜鉛が不足している中トレーニングを行うと、集中力も途切れ、疲れやすく筋組織の回復が必然的に遅くなってしまうため、効果が出にくくパフォーマンスの低下に繋がるので、きちんと摂取することを意識しましょう。

 

 

【亜鉛を含む食品】 

 魚介類:カキ、あさり水煮、からすみ、ホタテ(生)、たらこ、シジミ、ウナギ(蒲焼)、たこ

 肉類:豚レバー、牛肩肉(赤肉部分)、牛もも赤身肉、鶏もも肉(皮なし)

 乳製品:卵、チーズ

 大豆製品:油揚げ、納豆、高野豆腐、豆腐

 穀類:玄米

亜鉛は肉類や魚介類などに含まれていることが多いため、菜食主義者、ビーガンの方は不足しがちです。サプリメントなどで補充するなど、亜鉛を意識した食事を心がけましょう。

【レシピ紹介】

今回は効率よく亜鉛を摂取する食事をご紹介します。

ポイントは

・動物性食品に多く含まれるため、植物性食品に偏らないようバランスを心がける。

・穀類、豆類に多いフィチン酸、青菜に多いシュウ酸、加工食品に含まれることの多いリン酸塩は、亜鉛と結合することによって亜鉛の吸収を妨げることがあるので注意する。

・亜鉛は動物性たんぱく質と一緒に摂ると吸収されやすくなる。

・亜鉛+たんぱく質+ビタミンCも亜鉛が吸収されやすく効果が期待できる組み合わせ。レモン果汁や柑橘類をかける。

・亜鉛+ビタミンAも亜鉛の吸収を高める。ビタミンAが豊富な食材としてレバー、ほうれん草、にんじんなど。

牛肉ピーマンのオイスター炒め/2人分

【材料】

ステーキ肉(かたロース) 1枚(150g

ピーマン 2個(40g

にんにく(すりおろし) 1

酒 大さじ1

しょうゆ 小さじ1/2

砂糖 小さじ1/2

片栗粉 大さじ1

サラダ油 大さじ1

 

【作り方】

牛肉をスティック状に切り片栗粉をまぶす。

 ピーマンは乱切り、調味料はあわせておく。

フライパンに油を中火で熱し、肉を焼く。

 焼き色がついたら、ピーマンをいれ、サッといため、調味料を加える。

タコピラフ/2人分

【材料】

ご飯 2膳分(300g

タコ 150g

いんげん 3

大葉 4

卵 1

にんにく 2

鶏ガラスープの素(顆粒) 少々

しょうゆ 小さじ1/2

塩・こしょう 各少々

油 大さじ1

 

【作り方】

タコは1cm幅に切る。インゲンは小口切りにする。大葉は手でちぎる。

 にんにくは粗みじん切りにする。

フライパンに油を弱火で熱し、にんにくの香りが出るまで炒める。

 タコ、いんげんをいれ炒め、タコが焼けたら、卵を入れ混ぜる。

 温かいご飯をいれ炒め合わせる。

塩・こしょうをふり、しょうゆを鍋肌から回し入れる。

 火を止め、大葉を加え、さっと和える。

鶏むね肉のたらこ炒め/2人分

【材料】

鶏むね肉 1枚(300g

酒 大さじ1

塩 少々

こしょう 少々

マヨネーズ 大さじ2

たらこ 1

片栗粉  大さじ3

大葉 3

 

【作り方】

肉は一口大のそぎ切りにして、酒、塩、こしょうをふる。

たらこは薄皮をとり、マヨネーズと混ぜ合わせる。

鶏肉に片栗粉をまぶす。フライパンに油を中火で熱し、焼き色がつくまで焼く。

 

 両面が焼けたら、マヨたらこソースを加えあえる。器に盛り、大葉をのせる。


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